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最終的に散歩はランソワに、ラルフィ、ヴァイス、そして司と沢山の蝶達を加えたメンバーで向かうことになった。
下山して町へ向かうルートは幾つかあるが、無茶をしないで済むのは大農園であるグラス・アイランドを通過する道だけである。常連のフランソワやヴァイスだけならまだしも、蝶達がオーロラのように連なって飛ぶ光景は多くの農家達の目に留まった。
「お、フランソワちゃんも散歩に行くのか。さっきマグナがここを通ったよ」
「今日は友達が沢山いるんです」
フランソワはマグナのようにせっかちではなく、急ぎの用事もない。寧ろこうして小さな出会いや旅を楽しむことが大本命である。
しかし、話し込むフランソワやラルフィを他所に、司とヴァイスは蝶達が全員纏まって付いてきているかの確認にひっきりなしであった。
「やっぱり保護された世界の外側に出るとこうなっちゃうよね。蝶からしても珍しい植物は気になるのかな」
「さあ。僕には分からないけど結界の内側に行かせないようにしないと」
この広大な農地は、テリトリー別にバブルのような半球状の結界で区分けされているのが最大の特徴である。
そのバブルはビニールハウスのような役割を果たし、内側は気温や湿度が育てたい農産物に合わせてコントロールされている。
バブルの内外による環境の違いは、当然司達からしたら大したものではないが、蝶達にとっては十分な脅威になると言っても過言ではない。それを阻止すべく二人は奮闘しているのである。
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