Dragon's Dream

Ab-No-Anomaly

「あら義妹ちゃんどうしたの？王様の前で隠し事は良くないわよ。それとも尋問プレイがお好みかしら？」

アノマリーは下卑た笑みを浮かべアノマリーに向けた両手を波打つように開閉させた。

「ゼロの姿でそう言うことしないでって言ってるでしょ。その指切り落とされたいの……！？」

「なら大人しく教えなさいよー。どうせ最終的には喋らないといけないことだからそんな言い淀んでるんでしょうに」

「うぐ……」

その一言は見事に的を射ており、ロゼルサスは促されるままに白状した。

「ゼロが楽しみにしてることはまだあるの。今日は月に一度のその日なのよ」

「つまりそれは、他人と関わりのある行事と言うことね」

「ええ。貴女の昼食にも関係しているわ」

ロゼルサスは端的に、今日に限ってはこの城で昼食をとることはないと告げた。

ゼロは国民と積極的な交流を行うことを目標としており、チミィとの面談やカシオ率いるコンステレイションに機関車のプロモーションを依頼したこともその一環である。しかし事業を起点とした交流では、一つの町や一座と言った組織の上層部としかコミュニケーションを取ることができない。そこでゼロが更に根深い部分と触れ合うために考案したイベントが、城下町を探索しながら食べ歩きをすると言うものであった。

「成る程ねえ。町の様子や市民の暮らしぶりを直接視察することができて、親しみを持ってもらう切っ掛けにもできる。良いやり方じゃない」

「ええ。私もそう思うわ」

「歩いて視て食べるくらいなら日常動作の組み合わせなんだし、私でも十分にできるわ。任せて頂戴」

「別に貴女がヘマするとは私も思ってない。信用してる。ただ……その……」

ロゼルサスは最も気恥ずかしい部分をまだ話していなかったが、アノマリーは既に察しが付いていた。