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ポールとフランソワのためにも手短に用件を済ませようと、司は勿体を付けることなく本題を切り出した。
「聞きたいのはマグナとレミューリアのことなんだ。少し、ピリピリしたような感じがしたから」
「それならいつものことだから気にすることはないよ……って、言いたいところだけどさっきのは一段と凄かったね。マグナのことを心配して言ってるんだってことは分かるんだけど、それにしても勢いが強かった。あれは純粋な呆れや怒りじゃ出せないものだと思う」
ヴァイス曰く、叱咤されることに慣れてしまっているマグナやケセルには気が付きにくいが、先程の様子は何か違和感を感じる部分があったとのことであった。
「まあそれ以外だったら何かって聞かれると、具体的には分からないんだけどね。とにかく鬼気迫るものを感じたよ。一応釘を刺しておくけど本人には言わないでね。僕がそう言ってたなんて、くれぐれも」
「言わないよ!でも気になるなあ。後でシダとかにも聞いてみようかな」
「考えすぎかもしれないけど、あの二人は元々相性が良くないところもあるのかもしれないわね」
「相性?」
どちらか片方なら杞憂で済ませることもできたのかもしれないが、観察力に長けていると思わしきこの二人から立て続けに指摘が入ると、やはり何か特別な事情があるのではないかと言う懸念が芽生える。
司は杞憂を解消するために此処を訪れたが、問題を解決する心構えにシフトしなければならないような雰囲気を感じ取った。
「それは、レミューリアが氷でマグナが炎だからってこと?」
「元を正せばそこに行き着くのかもしれないけど、フランソワが言いたいのは気質とか性格とか、その辺りだよ。見事に正反対って感じがするだろう」
「まあ、それは確かに……」
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