第一章 出張

2/7
前へ
/20ページ
次へ
 忘れてた!  今日はクリスマス、地下鉄の駅が混んで、切符売り場へなかなか到着できない。  日本中の暇人が大騒ぎだ。  (ヤバイ、並んで待っていたら切符が買えない)  社が予約した飛行に乗り遅れたら悲劇なんてもんじゃない。  大事な商談で先に函館に入った先輩をサポートするのが任務なのに、遅刻などすれば俺の評価はダダ下がりだ。課長は許してくれないだろう。  真っ青な顔をした俺を尻目に「なーにやってんの」なんて笑いながら、先輩OLは切符の自動販売機の前でオロオロしている俺を尻目にフリーパスで悠々と改札口を通っていく。  彼女も北海道へ行くのだが、完全に有給休暇のプライベート、新幹線で札幌を目指すという。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加