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「お初にお目にかかります、アンネゲルドと申します」
流麗な感じの女性だ。悪く言えば堅苦しそうではある。小さく下げた頭を上げ、手を控えめに翳し、薄く伸びた唇を動かす。
「それでは早速――キャストオン、解析(アナライズ)」
クラスメイト一人一人の足元に肩幅ほどの直径の魔法陣が。いや四十人くらいいるんですが。目視で一気に発動できるもんなの?よく分からないが。
「今皆さまの手元に光の文字が浮かび上がっているかと思います」
言われて視線を向ければ、あ、ホントだ。なんか文字が浮かんでる。
「それが数値化された能力値、所謂ステータスというものです。以後、確認したい時や閉じたい時はそのように念じれば見ることができますので、試してみてください」
言われるままに、光のウインドウを閉じたり開いたりしてみる。チカチカする。目が痛い。しょぼしょぼする目を酷使してその文字列を読み上げていく。
田井中 健
LV 1
HP 150/150
MP 250/250
STR 20
VIT 30
DEX 50
AGI 20
INT 50
MGR 10
LUK 10
《???》
つまりこれがステータスか。周りを見ないことにはなんとも言えないけど、なんつーか心当たりある数値だな。およそ実際のパラメータと思って遜色ないだろう。後は一番下の項目も気になるが、まあそれはアンネゲルドさんに聞けばいいか。
なんか表示とかやたらネトゲっぽいよなあ、これ。どういうカラクリなんだろう。自動的に翻訳されてるのか?
ねえ周りの会話盗み聞きしてると時々三桁とか聞こえてくるんだけどこれどゆこと?俺クソ雑魚なの?
「えっと、香織はどうなんだ?」
幼馴染に話し掛ける。
「私?こんな感じー」
と、呑気な声で見せてくれたステータスがこてぃら。
八田 香織
LV 1
HP 200/200
MP 500/500
STR 20
VIT 20
DEX 100
AGI 20
INT 100
MGR 50
LUK 50
《ヒール》《???》
「ツヨクナイデスカカオリサン」
なにこれみんなこんな感じなのかよ死にたい。
「そう言う健はどうなのさー……大丈夫!健は私が守ってあげるから!」
チラッと俺のステータスを見た香織はそう言った。まあ微妙な空気になるよりかはマシか。
「それは死んでもゴメンだ」
クラスメイトのヘイトが俺に溜まる。おーいタゲ間違えてんぞー。じゃなくて。
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