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「先生は本をお書きに?」
「ああ、何冊か」
「実は僕も」
「書いてるの?」
僕は控えめに首を横に振る。
「構想はあるんです。でもどう書けばいいか分からなくて」
「へえ。聞かせてよ」
「構想をですか?」
唇を噛んで様子を探る。
カップを手にしたまま前のめり。
「それが……その」
「どうした?」
「ちょっと赤裸々なものなので――」
「ふうん」
「つまり僕の実体験を」
かすかに眉を上げ目を見開くと
先生の瞳孔が大きくなった。
「そんなに経験が豊富なの?」
完全に興味を惹いたのだ。
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