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「いいえ、とんでもない。ただ……」
「ただ?」
「関係性が複雑なんです。それより先生」
「ん?」
照れたふりして話を遮る。
「先生はどんな生徒をお望みですか?」
もちろん
主導権を握るためさ。
「僕に選ぶ権利はないよ――だって」
花村先生はそれこそ
「みんな高い受講料を払ってるんだ」
華のある笑顔で
冗談めかして笑った。
「例えばですよ。例えば僕がどんな生徒なら、受講生として受け入れがいがあると?」
「そうだな。そりゃ――」
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