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するとやっぱり。
教授室のドアに手をかけたところで。
「待って」
――来た。
呼び止められた方を向けば
「わ……!」
「おっと」
絶対故意だ。
先生は唇が触れそうなほど
すぐ真後ろに立っていて。
「明日の授業で使うテキストだ。貸してあげる」
「いいんですか?」
僕にテキストを差し出す。
「その代り――授業が終わったらここに返しに来てくれる?」
きっかけ作りか。
「分かりました。必ず――」
しめしめ。
これなら思ったより早く
任務を遂行できそうだ。
僕が心の中で舌を出した
その時だ――。
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