episode192 肩すかし

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「ふう……危ない危ない」 間一髪。 受話器を置く頃には 足元は薔薇の葉っぱでいっぱいになっていた。 「……おっと」 再び すぐに電話のベルが鳴る。 「はい」 「ああ、僕だよ」 「椎名さん?」 受話器を上げれば 「わお。声だけで僕だと分かる?」 「さっきお会いしたばかりですからね」 「嬉しいね、友よ」 「……友?」 数時間前に別れたばかりの 助平な錬金術師が 「……隣に誰かいるんですか?」 クスクスと意味深な笑い声を立てていた。
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