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「ふう……危ない危ない」
間一髪。
受話器を置く頃には
足元は薔薇の葉っぱでいっぱいになっていた。
「……おっと」
再び
すぐに電話のベルが鳴る。
「はい」
「ああ、僕だよ」
「椎名さん?」
受話器を上げれば
「わお。声だけで僕だと分かる?」
「さっきお会いしたばかりですからね」
「嬉しいね、友よ」
「……友?」
数時間前に別れたばかりの
助平な錬金術師が
「……隣に誰かいるんですか?」
クスクスと意味深な笑い声を立てていた。
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