episode192 肩すかし

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「髪を真っ赤に染めようかな?」 「何?何言いだすの?」 「本当のこと言わないのなら――」 僕は己の毛先を弄びながら言う。 「やめろって馬鹿らしい」 「馬鹿らしい?じゃあ虹色は?」 保守派の王子様。 僕がブロンドに染めた時でさえ 内心反対してたんだ。 「ったく君は――分かった。教えるよ」 たいしたことじゃないと言いたげに 肩をすくめて。 「ファーストキスの相手なんだ」 九条さんは白状した。 「彼が……あなたの……?」 「いや、逆だ」 「ん?」
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