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「髪を真っ赤に染めようかな?」
「何?何言いだすの?」
「本当のこと言わないのなら――」
僕は己の毛先を弄びながら言う。
「やめろって馬鹿らしい」
「馬鹿らしい?じゃあ虹色は?」
保守派の王子様。
僕がブロンドに染めた時でさえ
内心反対してたんだ。
「ったく君は――分かった。教えるよ」
たいしたことじゃないと言いたげに
肩をすくめて。
「ファーストキスの相手なんだ」
九条さんは白状した。
「彼が……あなたの……?」
「いや、逆だ」
「ん?」
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