159人が本棚に入れています
本棚に追加
にしても――。
「どちらにしろ今の僕らには関係のない話だろ?ねえ」
「やめて。誤魔化されないから」
僕の複雑な想いを
ただの嫉妬と受け止めた恋人は
心なしかご機嫌が良く。
「誤魔化したりしないさ。ねえ、Mon petit chat」
路辺に車を止めて
「ン……」
彼の可愛い子猫に
特別なキスを与える。
「知ってる?ふてくされた君は食べてしまいたいほど可愛い」
「知らないよ……」
とろけるような甘い口づけに
すっかり骨抜きにされかけた頃。
「ところで君、彼の部屋で何を?」
おっと。
今度は僕が誤魔化す番だ――。
最初のコメントを投稿しよう!