episode192 肩すかし

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「……彼の講義を受けることに」 「なんの講義?」 「それは……」 それは僕の管轄外。 「何でもいいでしょ。それでテキストを借りたの」 「ふうん」 僕を疑うなら 疑う理由はいっぱいあるけれど。 彼はあえてそれをしなかった。 その代り 「君も彼の生徒になるなんて。なんだか運命を感じるね」 言って再び ハンドルを握った。 「ああ、ホントに」 作り笑いして襟を正すと僕は思う。 運命なんて ほとんど皮肉でできてると。
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