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「……彼の講義を受けることに」
「なんの講義?」
「それは……」
それは僕の管轄外。
「何でもいいでしょ。それでテキストを借りたの」
「ふうん」
僕を疑うなら
疑う理由はいっぱいあるけれど。
彼はあえてそれをしなかった。
その代り
「君も彼の生徒になるなんて。なんだか運命を感じるね」
言って再び
ハンドルを握った。
「ああ、ホントに」
作り笑いして襟を正すと僕は思う。
運命なんて
ほとんど皮肉でできてると。
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