episode192 肩すかし

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「まあまあ。細かいことは気にするな」 僕との禅問答に飽きたのか。 椎名さんはそうまとめて。 「ともかくだ。君が誘惑して貶めるべき相手は彼で――天宮和樹なら必ずやってくれる。だろ?」 断り辛くなるよう うまく僕を持ち上げる。 「で?次の手は打ってきた?」 「それはまあ。明日も会う約束をしましたけど……」 「ほら、さすがじゃないか!」 ――しまった。 「それじゃ、引き続きよろしく頼んだよ」 「あ、ちょっと椎名さん……!」 完全に引き受けた形で 早々に電話を切られてしまった。 「ったく……」
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