episode192 肩すかし

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「名乗れよ」 「ええっ……でも……」 受話器の向こう。 イチャイチャした押し問答の末。 「あ、どうも。野島祐樹です……」 ビンゴだ。 昼間泣いてたあの茶髪の彼が 恥ずかしげに僕に挨拶する。 「なんだよ。傷心につけ込んでもう物にしたの?」 「悪く言うな。慰めただけさ。泣いてる子は放っておけない。だろ?」 声を潜めて 「それとも妬いてるのか?オフィーリア」 「ハァ……」 椎名さんは得意げに 僕の溜め息をかき消した。
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