会見にて……

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矢追は蓮の言葉に驚きつつも、「失礼しました……。」と頭を下げ、席についた。 その様子を見ていたレオンは、蓮をまじまじと見つめた後、何かを思い出したようで、蓮の方へ近づいていき、蓮に話しかけた。 「……思い出したよ。あの時、君はハルト・テンドウのセコンドについていたね。久し振りだ、忘れていてすまない……。」 蓮はやれやれといった表情でレオンの方へ顔を向けた。 「特に挨拶もかわしてない人間を覚えていなくても仕方ないだろう?謝ることなんてない……。むしろ、俺がレオンに顔を覚えられていた事に驚きだ。」 そう言った後、蓮は自分だけ座りながら話すことに気が引けた為、席をたった。 「ハルト・テンドウ……。彼がこの世を去った事は残念でならない。……すまない。」 申し訳なさそうにレオンは頭を下げた。 「よしてくれ……。さっきも言ったがあいつが死んだのはレオンのせいじゃない。あいつが自分の意志でリングにあがり、レオンと試合したんだ。責任を感じる必要はない。」 蓮はそう言って、レオンの両肩を軽く叩いた。 「そうか……しかし、あの時セコンドにいた君が……」 レオンは下げていた頭を上げた後、そう言った。 「んあ?レオンは夢にも思わなかったか?……俺は晴都がレオンに負けた時にはすでに、レオンと俺がいつか試合するだろうって思ってたよ。世界で1番強い奴になるのが、俺と晴都の夢だからな。世界中で1番強いと言われているレオンに勝てば俺が世界で1番強いって言われるだろ。」 そう言って蓮は軽く微笑んだ。 「なるほどな……フッ、試合が楽しみだ。」 レオンが蓮へと右手を差し出してきた。 「晴都は俺との勝負、勝ち逃げしていったからな……レオン、晴都に勝ったあんたに勝って、俺は晴都にも勝った事にする。」 意味不明な事を言いつつ、蓮はレオンと固く握手した。 たくさんのフラッシュが一斉にたかれはじめた……
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