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異種格闘技大会当日……
蓮はセコンドのおっちゃんと、後輩の矢部と共に選手控え室にいた。
「先輩、アップはここら辺にして試合の準備しましょう!」
矢部はそう言って、スポーツドリンクを蓮に手渡した。
「んっ、さんきゅ。」
蓮は丸椅子に座り、受け取ったドリンクを飲んでいると、突然後ろから背中を叩かれた。
「痛っ……って、何すんだよ。おっちゃん!」
「何って、気合いいれてやったんだよ!いつにもまして背中がまるまってっからよ!」
おっちゃんはそう言ってがははと笑った。
「なんか……僕が試合するわけじゃないけど、すごく緊張してきました……。」
矢部は先程からガタガタと小刻みに足が震えていた。
「バーロー!まわりが緊張してんの表に出してたら、蓮が更にプレッシャーかんじんだろうが!……って、今日のおめぇさん、大人しすぎやしねえか!?」
蓮はいつの間にか長椅子に移動していて、顔にタオルをかけて仰向けで寝そべっていた。
「……おっちゃん。俺はレオンに勝てるかな?」
「何を今更……勝てるかなじゃねえ!勝つんだよ!」
「……俺は晴都に1度だって勝った事がないんだよ……その晴都にレオンは勝った……俺が勝てなかった相手に勝った奴にどうやって勝つってんだよ………」
おっちゃんは、蓮の顔にかかってるタオルをとり、無理矢理蓮を起き上がらせた。
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