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だいたい、これがうら若き乙女の暮らす部屋なのだろうか。なにもかもが共同の板敷き六畳一間。カッコよく言えばフローリングのシェアハウス。実態は漫画みたいなボロアパートだ。風呂なし玄関トイレ共同。鍵を掛け忘れるのはそのせいだ。
軋む廊下には住人の生活感が埃と一緒に漂う。板敷きなのは物置き納戸だったのがそもそも。階段下の斜め天井。半端な高さに小さな採光。トイレみたいなアレだ。
先輩の自慢はアパートで唯一無二のエアコン。当たり前だ。空調もなしで夏場を迎えた日には、三日ともたずにスルメになってしまう。壁が薄いせいで、冬だって物凄く寒い。八丁堀の良心――というか下心を感じざるを得ない。電気代は家賃に込み。ますます怪しい。
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