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「ふふっ、素直になればいいのに」
くすりと笑いつつ、退かされる前にと辻の右手が俺のモノをズボン越しに掴んだ。
「うあ、っ……!」
予期せぬ刺激に思わず力が抜ける。その隙を逃さす、彼は俺の足に体重を乗せ押さえ込んでは執拗にそこを指先で責め立ててくる。
「俺、長瀬先輩が羨ましいです。想像しただけで身体が熱くなって堪らない……」
はぁ、はぁ、と呼吸を乱しながらも手の動きは止まらず、熱に浮かされた瞳で懇願するように見詰めてくる辻。
「……ねぇ、先輩。酷くして?先輩ので俺の中ぐちゃぐちゃにしてください」
さっきまでの器用で知的なイメージの彼とはまるで違う。欲望に満ちた、あまりに淫らでだらしのない姿。
「先輩が、欲しいっ……」
「……ッ」
プツン。俺の中の何かが切れる、長瀬の時と似たような感覚。
「……そんなに壊されたいなら望み通りにしてやるよ」
もう引き返せない。満たしたい──。
俺は辻の身体を押し退けると腕を掴んで立たせ、そのままベッドの上へ放り投げた。
「わっ!……先輩?」
身体が丈夫そうには見えない彼への、せめてもの配慮。仕事の時使いものにならなかったら俺が困るから。
「散々煽ったのはお前だからな?どうなっても文句言うなよ」
俺に責任は無い。そう自らにも言い聞かせては欲望に従うまま、誘惑する後輩の上に覆い被さった。
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