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まずは石作皇子、天竺に行って仏の御石の鉢を手に入れる事は無理だと思い、大和の国(やまとのくに→奈良県)の山寺で手に入れた古い鉢をきれいにかざって、かぐや姫のところへ持って行きました。
偽物の鉢を差し出すと、かぐや姫は布でその鉢をみがいて、
「《仏の御石の鉢》は、みがけばみがくほど光り輝く鉢です。これは、《仏の御石の鉢》ではありません」
と、偽物である事を見破りました。
日清真も火星には行かず、日清食品(株)に頼み見事なUFOを作らせました。
そしていかにも、火星から帰って来たと見せかけて、
「苦労しましたが、UFOを持ち帰りました」
と、言ったのです。
偽物ですが見事な出来ばえに、みかん姫も言葉をなくして見つめていると、そこへ本社の男たちが現れました。
彼らは、このUFOを作った社員たちです。
「日清の真どの。UFOをお作りしたお金を、早く払ってください」
「こ、これ! こんなところで何を言う」
UFOが偽物だとばれた日清真は、はずかしそうにみかん姫の家から逃げて行きました。
阿部御主人も、もろこしには行かずに、もろこしからやって来た商人から高いお金で火ネズミの裘を買いました。
「もろこし中を探し回って、やっと手に入れる事が出来ました」
するとかぐや姫は、一目見て言いました。
「見事なかわごろもですが、本物なら火に入れても燃えないはずですよ」
「はい。さっそく、火に入れてみましょう」
阿部御主人は自信たっぷりに火の中へ《火ネズミの裘》を入れましたが、偽物の裘は簡単に燃えてしまいました。
「もろこしの商人は、よくもわしをだましたな!」
阿部御主人(あべのみうし)は、怒りながら帰って行きました。
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