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目を開けると僕の身体はキズだらけになっていた。
数日前、身体の中から変な音がして、切り裂くような痛みが身体中に広がった。
何かが崩れるような音、何かが壊れていく音。
僕はそのあまりの痛さに気付いたら意識を失っていた。
意識が戻って目を開けると、僕の身体中にはたくさんキズがあった。
痛くて痛くて仕方がないのに、今もまだ、そのキズは増え続けている。
目の前には小さな絆創膏が数枚だけしかなくて、身体中のキズに貼ることはできそうにない。
深くできたキズ達は、到底すぐに完治はできそうにない。
増えていくキズ達はいつまで続くのかわからない。
痛い。
痛い。
痛い。
これから先、僕はどうなってしまうんだろう??……。
これから先、僕は……。
「キズ、痛いよね」
怖くて震えながら座り込む僕。
そんなとき、突然頭上から聞こえたその声。
僕はぎゅっと閉じていた目を開いて顔を上げた。
「誰??……」
そこには知らない人。
包帯や絆創膏をあちこちにしている。
誰なのかはわからないけど、柔らかく優しい笑みを浮かべていた。
「ねえ、キズ、痛いよね」
誰だろうとじっと見ていると、もう一度同じ言葉を言われた。
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