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*~*~*
「…ってな具合、なんだけど」
「…………」
ルナは無言だった。
ラスト一口のコーヒーを喉に流し込む。
「あいつに巻き込まれたんじゃねえ。
むしろあいつが、オレと親父に巻き込まれたんだよ」
「…はあ…」
「あの峡谷もな、別名が『竜の谷』っていうから。
いかにもやばそうだったからオレは止めたんだけどな~…あいつ、言い出したら聞かねえし。
むしろ、危ないとこの方がお宝があるのかもって燃えるらしいんだ。
本当馬鹿だよなー」
ルナに、なんだかジト目で見られたんだけど…まあいいや、流しておこう。
あ、そうだ、とルナは呟いて聞いてきた。
「アスカは。
世界が滅びる的な何かを察知はしてないの?
あ、しばらく魔法を封印されてたから、無理なのかな…」
「…関係あるのかどうか分かんねえけど。
ん…変な夢は見てるよ」
そう言うとルナがこっちを見た。
「どんな?」
「なんつーか…すんごい綺麗な純白の。
おっきい翼がな、パタパタ羽ばたいてるような。
その翼から、なんってーかキラッキラのなんかが降り注いでてさ、その様子がとにかく綺麗なんだー…なんつーか、浄化されるような感じ。
…昨日見た夢では、その翼の持ち主がちらっと見えたぜ。
すんげーツヤツヤのブロンド金髪で、白い肌に蒼い瞳、…女神様みたいな神々しい感じだった」
「知ってる知ってる、見たその人!」
「…はぁ?!」
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