~ プロローグ ~

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『ある時あるところに、神様達がたくさん住んでいらっしゃいました。 神様は大きくなられると、一人一人御自分の名前がついた世界を創られます。 ここに、コランダモ様という神様がいらっしゃいました。 このコランダモ様が創られた世界こそ今我々が暮らしている世界、コランダモなのです。 コランダモ様が創られた世界には、コランダモ様の特徴が色濃く反映されました。 コランダモにはルビ族とサファイ族、2つの種族が存在しますが、それはコランダモ様が紅い瞳と蒼い瞳を併せ持たれているからだ、と伝えられています。 2つの種族は長年に渡り、対立してにらみあってきました。 あまりにも激化した戦いに心を傷められたコランダモ様は、ある日のこと創造主の意思に反する創造物に、天誅を喰らわすことを決定されました』 『て…んちゅう? って、何なの?』 『うん、ここでは素直に《神様が悪行を行った人間に対して誅伐を下すこと》と捉えていいよ。 転じた意味として、イデオロギーが対立する相手や私怨の相手などに対する殺害・粛清の大義名分とするために、「天の誅伐の代行」の意味合いで用いられたりする』 『……。 続き、早く読んで』 『……。 (難しすぎたか…) コランダモ様は、世界に大洪水をもたらしました。 ルビ族もサファイ族も、多くの人間が水に飲み込まれました。 コランダモ様は戦いばかりを繰り返す人間達を、怒りの濁流で押し流してしまわれたのです。 そして大洪水の後、荒れた大地に再び命の息吹を与えられました。 これで世界は平和になる、コランダモ様はそう思われました、しかし…… 』
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