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『神様って案外乱暴なんだね、言うこときかないから滅ぼしちゃう、なんて』
『いや、全滅させた訳ではないようだよ。
というか、まだ続きが『で、しかし、何よ?』
『……。
(口を挟んだのは君の方、なんだけど…言うだけ無駄、か)
しかし、創造物達の戦いが止むことはありませんでした。
今度は新しく生まれた命と、わずかながらに生きながらえた命とが戦いを始めたからです。
そしてやはり、新しい命にも紅い瞳の者と蒼い瞳の者が存在し、時代が進むにつれいつしか新旧の隔たりはなくなっていき、やはり紅い瞳のルビ族と蒼い瞳のサファイ族との対立へと発展していきました。
コランダモ様は、両者間の因縁の戦いは力で収めることは出来ない、ということを学ばれました。
両者とも、コランダモ様の御子達であるにも関わらず、お互いにお互いを忌み嫌い、傷つけあい、……しかしそうやってコランダモは脈々と栄え、発展してきました。
そして、ついに両族が手をとりあう時代が訪れました。
サファイ族の若きリーダーこと《シアン様》と、ルビ族の女大将が激戦を繰り返すうちに惹かれあい、困難を乗り越えてついに結ばれたのです。
両族はお互いを認めあい、両族からなる中央政府が成立し、そこから新しい世界が築かれていくことになるのです。
依然として小競り合いが続いていますが、それらを鎮圧し、このコランダモに平和という歴史を連ねていく、それこそが我ら中央騎士団の役割であり義務であり… 敬愛してやまないコランダモ様への忠誠なのです』
『……ふーん……』
『ああ、何度読んでも素晴らしい、我が家に伝わる《愛すべきコランダモの歴史》!
僕は大きくなったら絶対中央騎士団に入って、お爺様やお父様を追い越すくらい心身を鍛錬し、磨き上げ、この身をコランダモの平和の為に捧げる!』
『……。
(…出た…マサの熱血愛国心…)』
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