『全然そんな、たいそうなもんじゃねえんだけどな……』

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*~*~* (ちくしょ~あのクソ親父~…かわいい娘に、雨の日の夜なんかに買い物行かせてんじゃねえよ、このタコ!) 内心毒づきながら、足早に歩いていた。 最寄りのコンビニに行くには、河川敷を通る。 街灯も少ないし、正直あまり通りたくはない。 橋を渡って通り過ぎようとして…しかし、足が止まってしまった。 欄干を乗り出して見てみると、橋桁の下に見慣れない小さいテントが設置されていた。 雨は凌げてはいるのだろうけど…気にはなったがスルーした。 浮浪者かもしれない。 でも、もし幼気なストリートチルドレンとかだったりしたら…? 雨の夜だし、暗いし肌寒いし……親父に言われた買い物以外にも、あったかいお茶とチョコレートを余計に買った←勿論自腹 帰り際、はっきりいってかなり怖い気持ちを押さえながら、河川敷の階段を下りていってそのテントに近づいてみた。 好奇心じゃない、むしろ義務感のような心持ちだった。 暗いからよく分からなかったけど、橋桁に近づいて分かった。 テントの主なのか、誰か外に出てる。 それにこの匂い…インスタントラーメンだ。 主が無言で振り向く…薄暗くて分かりにくいけど、自分と同年代くらいの男だった。 「…なんだよ?」 彼が先に、口を開いた。 片方の手に傘、もう片方はコンビニのビニール袋をさげている同年代の女に、いきなり背後に立たれたらなあ…そりゃそのセリフが出るだろう。 「見せ物じゃねえぞ。 誰かに迷惑かけてる訳じゃねえ、文句言われる筋合いもねえ…あっち行けよ」 それが、自分とロキの出会いだった。
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