『全然そんな、たいそうなもんじゃねえんだけどな……』

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*~*~* …さて、どうしようか。 というのも、おにぎりとおかずをたいらげたロキ、お茶を飲んでいっぷくしたと思ったら、 「あ、やべ、俺めっさ眠い」 と言ったかと思うと、いとも簡単に寝付いてしまったのだ。 おいおい…全く、いったいどんな生活してんだよ。 まあ、放って帰っても勿論大丈夫だろう、テントまですぐそこだし。 だけど、気がひけた。 「……」 よし、と腹を括って携帯を出す…けどまさかの圏外。 仕方ないから外まで行って、雨に濡れないように気をつけながら電話する。 「…もしもし、親父? わりいんだけどさ、……」 背に腹は代えられぬ、とは正しくこのこと。 学校に忘れ物してきた、と言って診療所を出てきたのにこの河川敷は学校と反対側なんだからなあ、もう。 でも、一人じゃロキを運べない。 口では絶対大丈夫と言うだろうが、体は相当疲れているに違いない。 ゆっくり寝られる空間を、提供してやりたかったのだ。 診療時間が終わり、一区切りがつく時間帯だったから、仕事あがりの親父と母さんが雨の中二人して来てくれた。 覚悟していたとおり相当怒られたが、とりあえず親父がロキを背負ってくれて、雨の中なんとか診療所に戻る。 暖房を効かせて温かくしてやり、彼の濡れた服を洗濯する。 親父いわく、他に大きい外傷もないし、おそらく疲労がひどいのだろう、と。 栄養剤と体を休める薬を点滴で落とすことにして、晩は親父と二人で家に戻った。 ロキには母さんが、診療所内でついていてくれた。 そして次の日は土曜日で、学校は休みだし、診察も午前中で終わりだし。 ロキが目を覚ましたのは、診察が完了してまもなく、午後1時すぎだった。
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