『全然そんな、たいそうなもんじゃねえんだけどな……』

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で、この時自分は診療所内の簡易キッチンで、軽食を準備していた。 故にその場にいなかった…後にロキに聞いた感じでは。 起きたロキに親父は、子供があんなとこで一人で何やってんだ、とまぁ初っ端から喧嘩腰ではあったらしい。 で、ロキもロキだから…たしかに娘さんにゃあ助けられたけど、てめぇに助けてくれなんて頼んじゃいねえ、とこうきて。 で、生意気なガキが、白蛇様に祟られろ、だとかどうとか親父が子供じみたことを言ったらしく、それに対してロキが、それなら俺ぁあっちこっちのお偉様に既に祟られてらあってな返事をして。 で、後はお互い罵りあいに発展し…や、だからって親父、上級魔法炸裂させるとかってあり得ないだろ、室内で。 いきなり爆発音とかするから何事!?とかロキが寝ていた仮眠室の方に行ったら、 「逃げろ! 崩れっかも…「貴様ごときが、アスカと話すなぁ!」 とかなんとか、とにかく二人とも超必死モードだし。 とにかく天井が落ちてくる前に、なんとか三人とも外に脱出出来た。 この診療所は公民館の一角で、周辺が住宅街でなかったからまだ良かったようなものの…親父も親父自身がやったこととはいえ、しばし呆然とぶっ壊れた診療所を見つめていた。 その隙にロキが走って行こうとするから、あわてて追いかける。 「ちょ、なんだよあれ?! 一体何がどうしてああなったんだよ…?!」 「俺が知るかよ?! 親っさんに聞けよ、殺されっかと思ったぜ…!」 ロキが言う、患者に攻撃魔法ぶちかます医者ってどうなんだよ、と。 うぅん、まあ、たしかに……
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