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しばらく押し問答していたが、やがてロキは、とりあえずほとぼりが冷めるまでは一緒にいといてやる、と言ってくれた。
その晩は、ロキは寝袋で屋外で寝て、自分をテント内で寝かしてくれた。
次の日、二人してヒラリィ地区の主要駅に出向く…彼は駅前のコインロッカーに荷物を預けていることを自分に明かし、そこから荷物を取り出す。
通帳から幾ばくかのお金をおろした彼はそれを自分に渡して、『これで当分の間の、ある程度必要なモンを揃えろ』と言ってくれた。
なんで、そんなお金を持ってるんだ?
そもそも、なんでキャンプ生活なんかしてるんだ?
いろいろ聞きたかったけど、聞けなかった…聞いたところで『人にはプライバシーがあるんだ』って言われてしまえばそこまでだし。
……そして、近くのファミレスで昼を食べながら。
彼と、今後について色々と話をした。
彼は、自分に助けられた借りがあるということよりも、彼の発言のせいで自分が力を封じられるに至ったことを、申し訳なく思っているようだった。
だから、あのクソ親父が封印を解いてくれるまでは、自分のことは責任を持つ、と。
「『契約』だ。
だってお前、ぶっちゃけ魔法使えねえんだし、正直…俺の旅の『お荷物』にしかなんねえ。
だけど、お前の力が戻るまで限定で、俺の旅の手助けくらいさせてやる…ああ、勿論無償で」
…うぅん、その物言い…態度でか…。
まあ、仕方ない。
奴は、お金を出してもいいから関わるな、と言い切ったくらいなのだから。
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