グラサン(仮)

始まりはグラサン

　やあやあ、みなさんこんにちは。はじめまして。主人公の俺は至って普通の男子高校生。よくラノベとかで普通の高校生が美少女にモテまくる話があるけど、そんなのを期待して高校生活をおくりはじめて１ヶ月。共学だけどモテるわけもなく、ほどほどに可もなく不可もなく過ごしていると思う。(主人公なんだから美少女の一人や二人にモテてもよくない？　現実って結構厳しい？)

　まあそんな中、今気になってるやつがいる。予め言っておくが恋ではない。相手は男だからな。正直に言えば入学式からそいつは浮いてた。スキンヘッドにスーツ、そしてグラサン。最初は教師かと思っていたが、生徒代表挨拶で舞台に上がっていた。

　あれから１ヶ月経つのに、誰もそいつのグラサンとスーツの話に触れることもなく過ごしている。教師もだ。これでいいのか！？　学校指定の制服あるだろ！？　そもそもグラサンつけててもいいのか！？

　こいつの存在が謎すぎて夜眠れない。そろそろ俺は睡眠不足で倒れそうだった。でも本人に聞かずに周りから詮索するのはイメージが悪い。今日こそ本人に聞き、素顔を暴いて愛用のトゥルースリー○ーでグッスリ寝るんだ！　いざ行かん！　グラサンの彼方へと！

　俺は意味不明な事を考えながら、放課後そいつが帰る前に声をかけた。