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広いリビングに轟を除いた兄弟全員+家の幹部+新しい兄弟となる男の子1名。
一年経っても変わらないな若達は…。
「……んで?そいつがなんだってぇ?井藤…」
「留季。威嚇すんな。」
「……フン…」
「暁兄さんの言う事は聞くんだからこの人」
井藤は都ノ介が若の時からのお付きで、一番信頼している幹部だ。故に、この兄弟達とも付き合いが長い訳で…。なので兄弟達も簡単に追い払う事がないないのである。
「では、先程も言いましたが、この子が新しく花桐家兄弟の末っ子になります、花桐雪路(はなきりゆきじ)君です。歳は中3なので…14歳ですね。」
14歳にしては、無表情で心がないような…。まるで人形のような少年だ。
アッシュグレーの髪は少し父である都ノ介に似ている。
「ふぅん。で、また親父の愛人の子供かよ?」
「ちょっと蒼大!!…ごめんね、雪路君。」
「何で光大が謝るんだよ。」
「蒼大がそんな言い方するからでしょ!」
「あ?お前…」
「もう!光兄も蒼兄もうるさい!ちょっと黙って!まだ話あるんでしょ?井藤さん」
暴走しかけた双子に喝を入れたのは八男の累の若。この兄弟の中では一番の普通な人であり、常識人で全てが平凡だがしっかり者です。
「有難うございます、若。見ての通り、雪路君は特殊な暮らしをしていたので、表情や感情に欠陥…というか少しそれらに乏しい所がございまして…。
ですから、せっかくの兄弟なんだからこれから一緒に暮らして人として成長させてほしい…と頭からの言葉です。」
「は?!勝手に俺等をこの家に暮らさせといて何そんな勝手な事…!」
「ハーイストーップ。」
パン、と手の平を叩き蒼大の暴走に釘をつけたのは、長男の暁耀だった。
「あき兄!」
「蒼大。」
「落っち着けよーん、そうた~」
春虎が膨れっ面の蒼大のほっぺをつつく。蒼大は腑に落ちないような顔をするが、長男には逆らえない。
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