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「ま、親父の愛人癖は今に始まった事じゃねぇし。お前等だって突然兄弟だって言われて、連れて来られて…って気持ち分かるだろ?」
「っ……」
「血は繋がってんだ。兄弟なのは事実。それは変わらねえ。
いいぜ。今日からお前も俺の弟だ。」
そう言って、暁耀はポン…と優しく雪路の頭を撫でる。
「よろしくな、雪路。」
その瞬間、雪路の目が少し開かれたように感じられた。が、その変化を感じたのは恐らく井藤だけだ。
ま、これからが彼にとって光になっていくでしょう……。よろしくおねがいしますね、若達。
「…では私は御暇します。お邪魔しました。」
「おぅ。あ、井藤。」
「何でございましょう、若。」
「こういうのは金輪際無くせよ…って言っといて。じゃねーと継がねえから。」
と、ニヤ…がつくくらいの笑顔で言う暁耀。
全く…どこまでも頭にそっくりな…。嫌味なお方に育ったもんだ…。
「承知しました。…では」
これからが楽しみですね、頭。あの兄弟達がちゃんと頭の言ってる事を理解し、成長できるといいですね…新しい兄弟と一緒に。
……なんて、言ってるとあの兄弟達ですからなにしでかすか分からないので思うのはこのまでにしましょう。
「…さて、夕飯は何にしましょうか…」
プルルルル…
お、丁度いいタイミングで頭から電話が…
「頭。夕飯何がいいです?」
そして私は、尊敬し愛しいあの人の居る屋敷へ急いだ。
〈井藤side end〉
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