2人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は透明人間だ。
こうして朝ごはんを食べていても、学校へ行っても、僕の存在を気に掛ける人なんてひとりもいない。
いつからか僕の姿は、周りからは見えなくなってしまった。
僕は昼もひとりで食べる。
腹が減るということは、どうやら死んでいる訳ではないのだろう。
時折離れたところから、こちらの様子をチラチラと窺う者もいる。
どう見えているんだろう。姿の見えない僕の食事風景は。
学校の帰り、僕はいつも寄り道をする。
存在しているのに認知されない、そんな孤独な僕が、孤独を感じない唯一の場所。
町外れの空き地にポツンと立つ、大きな木。
その存在はまるで僕のように、町の人たちから忘れられたような空間。
この木の傍にいる時僕は、ひとりだけれど、ひとりじゃない。
孤独だけれど、孤独じゃない。
僕と、
きみの、
ふたりぼっち。
最初のコメントを投稿しよう!