俺の彼女は魔王様！

もし神様が俺の人生に登場するヒロインを描いてくれるとしたら。

　俺みたいな平凡な男子高校生って、どんな彼女が居たら退屈しないんだろうな。
　すごく偉い神様が居て、自分を主人公としたラブコメをしたためてくれるとする。
　神様はその物語を現実にしてくれるという。
　そんな時、どんなヒロインを登場させるように神様にお願いするだろうか。
　理想の彼女像を描いてみて欲しい。ラノベっぽい彼女設定とか考えるのも楽しそうだな。
　彼女出来るとか出来ないってのはこの際置いておこう。自分が童貞かどうかってのも気にするな。俺は気にするけどな。
　そうだな。俺が退屈しない彼女の理想像は―――。
　例えば、俺の通う学園ではどこか儚げでどこか頼りなくて、守ってあげたい美少女ランキング一位に選抜されるような彼女。だが彼女の真の姿は、オラオラ、バイクに跨って中指を立てるような地元最強レディーズヘッド。そんな彼女がレゼジェンドになるべく、俺は日夜不良抗争に巻き込まれることになる。
　例えば、両親の都合で帰国子女として俺の学校に転向して来た彼女。幸運なのか、彼女は俺の住むアパートの隣人として両親不在の一人暮らしを始める。十カ国語を操る英才かつスポーツ万能、学園生徒からは完璧超人として憧憬の的になっている彼女であるが、蓋を開けてみれば、部屋がゴミ屋敷同然、要介護レベルマックス生活破綻者ポンコツ駄目人間。時間を経て、そんな彼女と恋仲になれた矢先、両親の都合で彼女は再び日本を離れることになり、俺はそれを阻止するために壮大な計画を練り始める。
　例えば、立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花、人望の厚い学園の生徒会長をやっている彼女は仮の姿に他ならない。学園から離れると、ちょっとした物音でもエアガンのエイムを合わせるよなうな要注意人物。それもそのはず、彼女はFPSの世界で名を轟かせたヘッドショットの天才ランカーであった。だが、そのゲーマーという彼女の肩書すら、エアガンが本物の銃だと俺が知ることにより崩れてしまう。彼女がとある民間企業に雇われたプロスナイパーであることを暴露。日本を征服せんとするやばいテロ組織から日本を守る為、俺と彼女は死と隣り合わせのスリルな毎日を送ることになる。