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12月6日 15:08
普段は別に何も言わないくせに。
玄関を開けた瞬間に、アイが初めて、
「おかえりなさい」
なんて声をかけた。
僕はびっくりして慌てて「ただいま」と返す。
こんなことで僕は嬉しいだなんて思ってしまった。
買い物してきた袋を渡し、
確認してみて。
と言うと、1つ1つ「玉ねぎ」だとか「ジャガイモ」だとかわざわざ口に出して並べている。
あ……これは?
アイが不思議そうな目で僕を見た。
それはセロリ。
それも入れるといいらしい。
意外と僕も楽しみにしていたのだ。
メモを見た時に、ビーフカレーか。
と携帯で色々検索したところ、それを入れているレシピが結構あったために追加してみた。
アイはそれを、これどう使ったらいいかわかりません。
またあの目で僕を、そろっ、と見つめたのが可愛くて。
「それはそのまま鍋に入れるんだよ?」
なんて嘘を教えてみた。
「ああ、そうなんですね」
普通に信じちゃうアイに笑いながら、
「ごめん、うそ、それは僕が下処理して切るよ」
と言うと、アイは少しムッとした表情をした後、
「ナオさんは意地悪です」
なんてまた可愛い顔で、可愛いことを言う。
ああ、楽しいなぁ。
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