7、 「実験」と変化する「日常」

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12月6日 15:41 アイは毎日「料理の基礎」を読んでいたからか。 すごく丁寧に忠実に何でもする。 ピーラーで皮をむき、猫の手で野菜を切ろうとするが。 さすがは子供用の包丁。 僕だったらイライラするが。 アイはのこぎりみたいに押して引いてジャガイモや人参を切る。 玉ねぎやセロリは僕が切る。 炒めたり煮たりはアイの指示で僕がした。 その間に出た洗い物や米を研ぐのをアイにするよう促す。 だんだんカレーらしい香りがしてくると、 アイが微妙に嬉しそうにしているのがわかる。 食べるのが楽しみだね? 無言で頷くアイ。 それがこれほど穏やかな気持ちになるだなんて。 もしかしたら僕はアイのことを、好きになってしまったのかもしれない。
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