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繋いでいた手を凝視していたら、私を笑う軽い声が聞こえてきた。
「ふはっ!惜しい事したって顔してる。やっぱりそのつもりだったんじゃん。我慢は身体によくないよ?ねっ、オネーサン」
私の胸の内を見透かしたように笑いながら言うこの少年。
これは腹が立つ。募っていた苛立ちからあっという間に怒りは沸騰して、顔に熱が溜まった。
「……帰る!もう一生会う事はないから!さようなら!」
手を振り払いながら少年に背を向けて帰る私。そんな私の背中に少年が声をかけてくる。
「あはは。帰っちゃうんだー、残念。またね」
「もうない!」
「わかんないよー、とんでもないところで再会したり」
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