深緑の使者

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動じていないのか!? ーー否!彼は窮地を脱したと、安堵の表情すら浮かべているではないか! 恥を恥とも思わない堂々としたその姿が、カッコ良く眩しくもあった。 「あはははっ、やっぱワイ凄かにゃ~オイはしーきらん!!(俺には出来ない)」 本人曰く究極のお下劣なネタで笑いを取りにいったというH君も、ド天然のD君には敵わないと大笑いする。 体内から謎の使者を自由に出し入れ出来る、お前こそが最強だと。 恥(青っ鼻)を晒して話題騒然となったD君は、益々女子達の好感度アップさせたのであった。 因みにD君と思わぬ再会を果たしたのは親同士が勝手に決めた結婚式場で、偶然にもそこのスタッフの一員として働いていた。 お互いに気付いた時には何故か苦笑い。 社会人として離れた二人の間には、一欠片の繋がりも無かったからだろう。 少しだけ話す機会があった時、実は彼も早々に所帯を持ったのだと教えてくれた。 だから当然、D君とはそれきり会っていない。 でも私は…何十年経った今でもあの衝撃の瞬間をふと想い出す度に、苦しい時も悲しい時もすぐに笑顔を取り戻し、勇気を与えられるのだ。 そう、君の青っ鼻最強伝説は今でも私の心に根強く生き続けている。 【Fin】
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