深緑の使者

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幾年の月日が流れても、私は君を忘れる事が出来ない。 あれは小学六年生の時だった。 班ごとに机を向かい合わせ、給食を食べていた時… いつものようにくだらない話しをしながら盛り上がっていて、誰かが急にしりとりをしようと言い出した。 「始めと終わりに絶対『べ』つけにゃんとでー」 しかも変則ルール付きの。 実際に『べ』から始まり『べ』に終わる言葉なんてそうそうあるものじゃないが、そこは馬鹿な遊びを思い付く小学生。 突飛な発想に乗っかり、皆ウケ狙いで適当に文章を作って一人ずつ発表していった。 私達の班は男子二名と女子二名。 ラッキーな事にその男子はどちらもイケメンでクラスの女子からの人気も高く、当然私ともう一人の女子はイメージダウンを避け無難なものを披露し、無事お題をクリアしたのだけれども。 次は男子の番になり…順番が回って来たイケメンH君は余程自信があったのか、ニヤリと笑って見せたのだ。
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