七瀬のキモチ-2

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──なんで? なんで、そんな顔が真っ赤なわけ? 「――あ、う……」 茉麻はどもったまんま、シャツの裾をぎゅっと引っ張る 俺は茉麻の頭に手をのせると、ゴシゴシと髪を乱れさせた 「茉麻」 「……うん」 「それ、わざとやってんの?」 「わざと?」 そんな潤んだ瞳で、顔を赤くされたら ──勘違いして、押し倒したくなる。 「ねらってるわけない」 「だよなぁ」 参った。 俺は茉麻の腕をつかむと、自分のほうに引き寄せた 「今日は色々あるから、明日出直す」 「――え?」 松岡さんの墓参りの帰りに、すぐ盛るなんて……節操なさすぎる。
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