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彼はオイラを見てすぐに何かを悟った様だった。
唐突に斬りかかるオイラの邪剣を大鎌で防ぎ、叫んだ。
「違う」「思い出せ」
でもオイラの中にすでに心はなかった。
邪剣により得意だった風の魔法が規格外に研ぎ澄まされる。
鎧に纏った風は何者も寄せ付けず
矛先に纏う風は彼(大人)とオイラ(子供)の力の差を覆して余りあるものだった。
だが、それ以上に、彼には戦意が無かったのだろう。
戦いは……
オイラを抱きとめる彼を邪剣が貫いた瞬間に決した。
後悔は決して前借りできない。
過ちに気付いた時というのはいつも手遅れだ。
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