愛車とラーメン屋。

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. 「結構頑張ってんだね?バスケ」 さっき見た練習… かなりハードそうな練習を弱音も吐かずに真面目にやってた蒼井さんを思い出した。 「あったり前じゃん!俺一年の時からレギュラーでさ…」 蒼井さんはコップの水を飲み干して、“セルフサービス”と書かれたサーバーに汲みに行く。 「一年でレギュラーだったのって俺だけだったし、ただひたすら頑張んなきゃって思ってたけど、二年になったら今度は後輩が入ってきたからさ? レギュラーのポジション取られたくないからね?必死ですよ?こっちも…」 「へ~…」 「…なに?」 「いや、意外だなぁって… もっとテキトーなのかと思ったから…」 「テキトーになんかやらないよ! 俺バスケやりたくてこの高校選んだんだもん」 「そうなんだ…」 そういえばバスケ部は毎年都の大会で上位まで行くんだっけか… 店主「おまちどう」 「おー!来た来た!いただきます!」 「いただきます…ってすげぇなネギ!」 「ん?そう?」 そんな他愛もない会話をして、二人でふうふうやりながらラーメン啜って 本当に不思議だったんだ。 高校入ってすぐだったし、こんな風に、学年が違う人と普通にラーメン食ってるなんてさ… 「つうか蒼井さん、ネギじゃん、もうそれ麺見えないぜ?」 「うるさいな、っつうか蒼井センパイだろ?セ、ン、パ、イ!何回言ったらわかんの?」 「…汚いなぁ、口ん中に食い物入ってんのに喋んなよ…」 「おま、本っ当生意気なー?さっきから!黙って食え!」 「ほーい…」 ワケの分かんない勝負して負けて… マネージャーやれって言われて、犬みたいって抱き締められて? そこはなんでか分かんないけど。 おまけに自転車漕がされて、色々あった一日だったな… .
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