第1章

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パチパチパチ・・・参加者全員が大きな拍手をした。 「この会場は夕方5時まで使用できますので、参加希望の方はトイレ休憩等を取って30分後に集合してください。」 -2- 「そろそろ始めませんか?」 「そうですね。」 先ほどの講座が開かれた会議室に、二十名くらいが丸く囲んだ椅子に座っている。その後ろに活動センター職員が立っている。 「お待たせしました。講座修了生による初めての会合を始めましょう。これからは皆様の自主運営となりますが、会場の今後の予約などの利用方法や区役所広報等で不明なところがありましたら、夕方五時まで私は室内におりますので声をかけてください。それではよろしくお願いします。」 ほんの少しの沈黙があったが一人の女性が声をだした。 「司会進行役を決めませんか?」 隣に座っていた女性が頷いて、 「そうですね、記録係もですよね。」 「豊田ですが、私が司会をやりましょう。記録は今の女性の方にお願いしたいのですが。」 「私がやるのは問題がないのですが、参加者全員の考えを聞いてからにしませんか?」 最初に声を出した女性が、 「私もそう思います。声の大きい人の意見だけで決まってしまうのは違うと思います。」 「だったら貴女がやりますか?」 離れた場所に座っていた男性が、 「そう言うことではなく、みんなの意見を聞きましょうと言っているのですよ。」 「分かりました。じゃあ、みなさん意見をだしてくださいよ。」 別の男性が、 「豊田さんが立候補しているので、やってもらったらどうですか?」 「はい。」 「異議なし。」 全員の同意が得られたので、豊田さんが司会進行役になり記録係は最初に指名した女性に決まり会合が始まった。
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