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さと子の言葉を聞くと、達海はゆっくりとさと子の目を見た。本当か? そう言いたげに。
「その気持ちは、今もずっと変わらないよ」
そんな彼の気持ちを察するかのように、続けて言った。おっちゃんは良いぞ良いぞと心の中でさと子に言った。
「大好き! 達海!!」
さと子が笑顔で言った瞬間、達海はさと子を抱きしめていた。神様とおっちゃんが思わず、「お~」と言う。その直後拍手をした。
「……思いの他、ガッチリしてるな」
「ご、ごめん。もうちょっと痩せないとね」
体を離すと、2人は笑った。そんな2人をよそに、神様とおちゃんは目を合わせて頷き合う。2人がさと子の方を向くと、神様が話をした。
「と言うことは、ワシ等の役目はもう終わりじゃな」
「そうだな! もうちょっとさと子と話をしてみたかったなぁ」
「え!? 私まだまだ全然痩せてないよ!!」
さと子が立ち上がるって神様とおっちゃんの前に立つと、2人は静かに首を振る。
「今のお前には、達海と言う素晴らしきパートナーがおる。これからは、お前達2人でダイエットをするのじゃ!!」
「えーっ!!?」
さと子は声を荒げたが、やがて、「そっか」と呟いた。
「……そうだよね。うん、分かった。私、達海と一緒に頑張るよ。でも、最後に会いたい人達、いっぱいいるんだ。神様、最後の挨拶だけ、させてくれませんか?」
神様は笑顔で頷き、「ほいっ!」と掛け声を上げた。その瞬間食べ物男子達が現れ、皆、神様とおっさんの隣や後ろに列を作って整列した。こんなにいたのか。達海は驚きながらも食べ物男子達を見る。
「サトちゃん、おめでとう! サトちゃんのお陰で、ちょっと強い意思が持てた気がするよ!!」
最初にグーグーダイエットで現れたのは、ハンバーグのハンちゃんだったな。最初の頃は凄く怯えられてて大変だったっけ。
「ハンちゃんはもっと自信持って! スーさんみたいに女の子に負けない人になってね!!」
ハンちゃんが頷いた後、ステーキのスーさんは不服そうに眉間にシワを寄せて1歩前に出る。
「んだよその言い方は。俺は負けないって言うか、レディと仲良く出来るんだっつーの。でも、ちょっと悔しいかな」
「何が?」
「それを聞くのは野暮ってモンだぜ! な、おひたし?」
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