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スーさんがひたし様に話を振る。急に振られたおひたしのひたし様は、「な、何ですかぁっ!!」と顔を赤くし、声をひっくり返らせた。かなり動揺しているのが分かる。
「あ、あのですね! そうですよ。おひたしを広げてくれたさと子様がいなくなるのは、私共とーっても悲しいワケで」
「それなら大丈夫だよ。これからもおひたしはちゃんと作るから」
「さと子様ぁ~!!」
歓喜のあまり抱きつこうとした所、肉じゃがのじゃがくんに腕を引っ張られ、後方に倒れたひたし様を気にせずさと子に話しかける。
「さと子ちゃん、おめでとう。念願のお兄さんと両想いになれて」
そう言ってじゃがくんは達海にも笑顔を向ける。達海も嬉しそうに微笑んだ。
「うん! じゃがくんには色々相談のってもらっちゃって。すっごく嬉しかった。じゃがくんが弟だったらなぁ~」
「カレーライスはどうだった?」
じゃがくんは、流石の気遣いで自然にカレーライスのカリー伯爵に振った。1歩後ろに下がると、カリー伯爵の背を押す。
「おやおや。気遣われてしまいました。さと子さん、短い間でしたが有難う御座いました。とても有意義な時間でした」
「ううん。カリー伯爵、始めはミステリアスで掴み所がないって思ってたけど、野球好きだなんてうちのお父さんみたいでちょっと親近感湧いちゃいました。野球、楽しかったです!!」
「私もです!!」
カリー伯爵も1歩下がると、鍋料理のなべ姉がさと子の目の前に移動する。
「うふふ、ステキな顔してる。恋してる女の子の顔よ」
「なべ姉は男の人だけど、あまり男の人って感じがしなかったよ。でも、それが逆に安心できたかな?」
「あらあら。……もうちょっと、男の部分見せた方が良かったのか? さと子」
「け、結構です」
「嘘よ、嘘ウソ!! や~ね! もう!!」
と言って達海にも笑いかける。なべ姉のペースには、流石の達海も苦笑いしていた。
その空気を読んでか読まずか、ナポリタンのなぽりんがさと子と達海の前に来てニヤニヤとする。
「良いですねぇ~良いよ良いよぉ大きなラブを感じるよ!!」
「なぽりんはずっとそれだったね。私、なぽりんにはその記憶しか無いよ」
さと子につっこまれると、なぽりんはペロッと舌を出した。
「彼、直人の時にいた1人だよな」
「ああそうそう。直人が女性と仲良く出来たじゃない? アレ、彼の指示のお陰なの」
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