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探し物を終えて、部屋に戻ってきた高橋と中村。
「良かったですね、早く見つかって。あ!先輩…さっきのコーヒーは?」
「さあ?どうだったのかしらね?」
ちょうどその時、部長室から出てきたのは社長。
手にはさっき高橋が部長に出したコーヒーカップを持っている。
「えっと、確か中村君だったかな?中村君はいるかね?」
「はっはい!私が中村ですが!!」
新人らしく元気に返事をした中村。
「そうか、君が中村君か。さっきはコーヒーごちそうさま。…うん、確かに目の痒みが幾分和らいだような気がするよ。特別なコーヒーだと聞いたからじっくり味わって戴いたけど、とても美味しかったよ」
そう言ってニッコリと笑った社長の歯の間から、黒いヒゲのようなものがピーンと飛び出しているのが見えた。
END
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