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「昨日もお話した通り、私は、恋愛には興味がないので。
でも、その上で間違いが起こらないようにと、
一応、お互いの為の……、保険というかは掛けて頂きますから」
「保険?」
「はい。シェアが決まった時には、戸籍謄本と身分証明書のコピー、
それと、会社の名刺をご提出いただきます。
もちろんそれは、部屋を出て行かれる際に、お返し致しますけど」
つまり、彼女としては、どんなに同居していても、
合意の下で男女関係になることは有り得ない。
そのため、何かが起これば
それらを元に、犯罪として訴えることになるという。
「訴えるなんて言うと、ちょっとおどろおどろしいですけど、
でもそうしておけば、お互いに安心ではあると思うんです。
なんていうか、お互いの潔白のためのお守りみたいなものですかね。
あっ、それと両親はもういないので、アレコレ言う人はいません。
だからこれは、あくまでも契約と同じことです」
そんな事を話している内に、俺の目の前には
いくつかの会社もオフィスを構える巨大高層ビルが聳えていた。
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