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ええっ? まさか……。
確かに、ここの高層階は、
高級マンションとして居住スペースになっているらしい。
そして、こんな俺の心の独り言を聞いたように、彼女が笑顔を向けてくる。
「ここです」
「ええっ?! マジっすか?」
俺は、思わず素に戻って、驚きのあまり声をひっくり返した。
そんな俺に、彼女は、どこか楽しそうに細く笑いながら頷いてくる。
「はい。ここ、56階建てで、
52階には、予約制で好きに使えるフリースペースというかがあるんです。
で、ウチは、その51階になります」
そう言いながら、彼女は、早くも居住者用の正面玄関へと向かいだす。
はぁ……。
俺は、ほんの少しだけ彼女の小柄な背中を見ながら、細く溜息を零した。
コイツ、いったい何者?
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