2  おい、おい……、色んな意味で

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ええっ? まさか……。 確かに、ここの高層階は、 高級マンションとして居住スペースになっているらしい。 そして、こんな俺の心の独り言を聞いたように、彼女が笑顔を向けてくる。 「ここです」 「ええっ?! マジっすか?」 俺は、思わず素に戻って、驚きのあまり声をひっくり返した。 そんな俺に、彼女は、どこか楽しそうに細く笑いながら頷いてくる。 「はい。ここ、56階建てで、 52階には、予約制で好きに使えるフリースペースというかがあるんです。 で、ウチは、その51階になります」 そう言いながら、彼女は、早くも居住者用の正面玄関へと向かいだす。 はぁ……。 俺は、ほんの少しだけ彼女の小柄な背中を見ながら、細く溜息を零した。 コイツ、いったい何者?
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