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しかし、そんな俺の尻込みは、高層階の部屋へと案内されて
今度は、放心の溜息に変わった。
モダンな玄関扉と、その先の広い大理石の玄関に迎え入れられ、
案内された部屋は、行ったこともないホテルの豪華スイートルームを
更に広くしたような空間。
そして、もちろん正面の窓の向こうには、
遥か東京の景色を見下ろすパノラマが、ドドーンと大きく広がっている。
「水回りと、リビング、ダイニングは共有になります。
でも、それぞれのお部屋には、
ちゃんと外と内から鍵がかけられるようになっていますから」
そう言いつつ案内された個室は、
今のアパートの俺の部屋の三倍は優にある広さ。
そこに、文字通りに入って行けるウォークインクローゼットと
さっきとは別方向の大パノラマの景色。
そんな部屋に圧倒されている俺に、
彼女は、学生カバンの中身を紹介するかに
然も当たり前な様子で案内をしていく。
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