2  おい、おい……、色んな意味で

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しかし、そんな俺の尻込みは、高層階の部屋へと案内されて 今度は、放心の溜息に変わった。 モダンな玄関扉と、その先の広い大理石の玄関に迎え入れられ、 案内された部屋は、行ったこともないホテルの豪華スイートルームを 更に広くしたような空間。 そして、もちろん正面の窓の向こうには、 遥か東京の景色を見下ろすパノラマが、ドドーンと大きく広がっている。 「水回りと、リビング、ダイニングは共有になります。 でも、それぞれのお部屋には、 ちゃんと外と内から鍵がかけられるようになっていますから」 そう言いつつ案内された個室は、 今のアパートの俺の部屋の三倍は優にある広さ。 そこに、文字通りに入って行けるウォークインクローゼットと さっきとは別方向の大パノラマの景色。 そんな部屋に圧倒されている俺に、 彼女は、学生カバンの中身を紹介するかに 然も当たり前な様子で案内をしていく。
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