2  おい、おい……、色んな意味で

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俺が一生かけても絶対に住めないような、こんな超豪華な部屋で ほとんど何も知らない俺なんかと同居しようという、彼女の気がしれない。 第一、様々な書類で縛ろうが、 俺たちが、互いにどんなに恋愛から縁遠かろうが、 俺たちは、大人の男女であることに違いはない。 だが一方で、こんな旨い話が現実ならば、 喉から手が出るほど乗っかりたいとも思う。 けど、待て。 もしかしたら、彼女は、ひどい欠陥人間とかなのかも。 だから、同居人が、次々出て行ってしまうんじゃないのか?  いや、それ以前に、ただのOLが、こんなマンションを持てるわけもないし、 この裏には、実は、ものすごい隠し事があったりして。 そんな事を悶々と巡らせている内に、 カチャカチャと小さな音をさせて、紅茶のセットと一緒に彼女が戻ってきた。
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