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レイは大きなしっぽをパサパサと左右に振った。嬉しくてたまらなかった。
今日もソラと一緒にいられること。
ソラが隣にいること。
同じ朝日を見ていること。
ソラの香り、温もり、全て。
「ねぇレイ。それ、とてもきれいだわ」
ソラはグリーンの大きな瞳を輝かせて彼に言った。
レイがしっぽを大きく振るたびに、部屋中に小さなホコリが舞い上がる。それが朝日に照らされてキラキラと輝きながら落ちてくる。
ソラはたまらずに、そのホコリに手を伸ばした。
手を伸ばして、ちょいちょいっと空中をなでればホコリは再び舞い上がる。
「本当だ。きれいだね、ソラ」
2匹は嬉しそうにホコリを追いかけた。レイがしっぽを振れば、ソラが「わぁっ」と声をあげる。ソラがホコリにじゃれれば、レイが「きれいだね」と目を細める。
やがて、遊びつかれた2匹は、よりそって寝転ぶと、あっという間にスゥスゥと寝息を立て始めた。
レイの大きな身体にソラが寄りかかって眠る。
それはまるで兄妹のようでもあり、恋人同士のようでもあった。
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