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「私はレイに敵わないわ」
ソラはレイを見つめて言った。
「そんなこと、どっちでもいいね」
「そんなこと、どっちでもいいね」
2匹の言葉が重なった。
レイは愛おしそうにソラを見て、満足そうに、そして幸せそうに、お日様と空と庭とを見渡した。
毎朝、日が昇る。
ソラは少しおねぼうさんで。
レイは優しくほほえんで。
昨日とは同じようで違う風。
花が咲き乱れる庭も、同じようで少し違う。
それでもここには、レイがいてソラがいる。変わってしまうのに、無くならない大切なものがある。
ソラの幸せはレイの幸せで、レイの幸せはソラの幸せ。
「こんなに穏やかで幸せな日ってないわ。ずっと、ずっと、こうだといいのに」
「そうだね」
変わってしまうものと、変わらないもの。変わってしまうから愛おしくて、変わらないから幸せなんだ。
ソラがいるから、いつでもその幸せを噛み締めているレイと。
レイがいるから気づけたソラと。
素敵な2匹の変わらない毎日の幸せな、いちにち。
end
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